一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「わっ、すみません!
……腰につけてた送信機、落としちゃいました……」
床に落ちたピンマイクの送信機を拾い上げながら、ユウキが可愛く誤魔化し笑いする。
一瞬場がぽかんとなって、話題が途切れた。
「ちゃんと落ちないように付けとけー!新人!」
「わーっごめんなさいっ!」
MCが進行表でユウキを叩いて笑いを起こす。
ユウキがこんな凡ミスするなんて珍しい。
でも、正直すごく助かった。
注目が移って、ホッと胸を撫で下ろす。
チラッと一瞬、ユウキが横目に私を見る。
でも、私がそれに気づく前にMCに視線を戻して微笑んだ。
「あっじゃあお詫びに。僕にもいるんですよ。兄弟」
「おっ、宇佐美家も芸能一家か!?」
「いえ、姉は一般人です」
「一般人かい!」
また叩かれてる!
スタジオの空気は、もうユウキのものだった。
「あっそれなら俺にも妹いまーす。
2人。しかも双子」
蓮がひらりと手を挙げて便乗する。
「はいはい!俺一人っ子ッス!」
「……俺もですね」
南と昊まで乗っかって、ごちゃごちゃと賑やかな空気が戻った。
「あー、もうお前ら!勝手に喋るな!」
最後はひな壇の芸人さん達まで乗っかってきて、初出演は大盛り上がり。
(いつも助けられてばっかりだ、私)
そんなモヤモヤを残して、その日の撮影は終わってしまった。