一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「私、は……“美嶋千景”として見てもらえなくなるのが怖いんです」
消えそうな、弱々しい本音を漏らす。
喉の奥で次ぐ言葉が詰まりそうになって、Tシャツの裾を握り込んだ。
「アイドルになって、仲間ができて、
“かげちゃん”って呼んでくれる人までいて、
私は、初めて“私”を見てもらえたんです」
これは私の人生にとって、大きな大きな変化だった。
「本来兄が来るはずだった場所に私はいるけど、
性別を隠してるから、本当の私ではないけれど」
感情が昂って、目の奥が熱くなる。
俯いていたらうっかり泣いてしまいそうで、前を向いて眉に力を込めた。
「私は、“美嶋日向の弟”に戻りたくなかった」