一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
ハッとした様な私の顔を見て、SEIKOさんは満足そうに小さく頷く。
「さ、わかったら“美嶋千景”を磨く努力をなさい。
矛盾することを言うけれど、これからあなたを“美嶋日向の弟”として見る人は格段に増える。
そういう人を美嶋千景のファンに変える。
アイドルにとって“恋をさせる”とはそういうこと」
“話はこれで終わり”
とでも言うように、SEIKOさんはパンと机を叩いて立ち上がる。
私は今の感情を自分の中に染み込ませるように、しばらく一点を見つめて動かない。
お兄ちゃんの光にかき消されるかも知れない恐怖は、まだなくなったわけではない。
けれど――
私が自分の力で灯した光を、見つけてくれた人がいることに気づいたから。
(その人たちに、ちゃんと誇れる自分になろう。
たとえお兄ちゃんがどんなに強い光でも、私は私だと言えるように)
SEIKOさんは、そんな私を一瞥すると声もかけずに部屋を出て行く。
大人っぽい香水の香りの余波を残して、応接室のドアが閉まる音が室内に静かに響いた。