一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


「毒舌キャラはこれ以上いらんわ」と、蓮がふざけて私の首元に腕を回して軽く締めてくる。

「ごめんって。原作ファンだから、つい……!」

蓮の腕を叩いてギブアップのジェスチャーをする。

少し間を置いてようやく私を解放すると、蓮は自分の前髪を掻き乱した。


「まぁわかってるけどねー。
演技レッスンも受けてんだけど、どうもイマイチでさぁ。
やっぱ演技向きじゃないわ、俺」


弱気な蓮も珍しい。
いつもサラッと平坦なイメージなのに。


「そうかな、歌の時の蓮はすごいなっていつも思うけど」

「あれはキメるとこ押さえてるだけー。
演技ってより、表現っていうか。
だからあれは、まんま“俺”なの。これと別物」


……そっか。だから蓮のパフォーマンスってすごく自然なのに魅力的に見えるんだ。


自分を表現する。

私にはなかった考え方かもしれない。

「そういう蓮だから、この役が来たのかも知れないね」
「え?」

蓮の目が丸くなる。

「颯斗って、蓮のイメージに合うって前に言ったでしょ?」

「……あー、言ってたねぇ」

「軽くて親しみやすくて、でもちょっと危険な感じもして。
それからすごいチャラい」

「ねぇ、最後悪口」

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