一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「“ふーん、そう?”」
蓮が私の顎を掴む。
台本通りなら、ここで颯斗がまりんに不意打ちキス――
アイドルだから、“寸止め”って書いてあったけど。
「……」
「……」
今は練習なんだから、キスのフリすらもせず次のセリフに行けばいい。
それなのに蓮は、私に上を向かせたまま動かない。
私の顔をまじまじと見つめて、何度も瞬きを繰り返す。
自分の目を、疑ってるかのように。
変に緊張感のある空気が生まれて、ごくりと息を呑んだ。
「れ、蓮……?」
思わず素に戻って蓮を呼ぶ。
私を見下ろして伏した瞳は熱っぽくて、手の平が強めの鼓動を察知した。
「……あれ、最近女の子と遊んで無さすぎておかしくなったんかな」
蓮の顔がぐっと近づく。
ふわりと揺れたペールピンクの前髪が、私の目元をくすぐった。
「今の千景ちゃんなら男でもいけそー。
……ちょっと試してみる?」