一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
その勢いで、ユウキと軽く肩がぶつかる。
仄かなバニラの香りが鼻を掠めた。
「――っ、」
耳元のすぐ側で、ユウキが深く息を吸った音がする。
私の手首を握る手の力が痛いくらい強くなった。
「くたばれチャラピンク!!」
蓮を睨みつけるユウキの大声が、だだっ広いフロアに反響する。
ビリビリと鼓膜が震える感覚に目を白黒させていると、ユウキが踵を返してドアに向かう。
私の手首は捕まったまま。
だから、つんのめりながらユウキと一緒にスタジオを出ていく。
「えぇ――……」
ぽつんと取り残された蓮が、理不尽さに呆然としてしまっていくドアを見つめていた。