一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
★
「ち、ちょっと、ユウキ!?」
レッスンブースの並ぶ廊下を、ユウキに引っ張られて歩いていく。
声をかけても振り返ってくれなくて、荒っぽい足音に呼応してふわふわと弾むモーヴのマッシュヘアをただ見つめるだけ。
廊下の突き当たり、ほぼ使われていない階段下の踊り場でようやく手が解放される。
ユウキが勢いよくこっちを見た。
「バーカ!」
「えっ」
いきなり悪口言われた……!
ガーンと衝撃が走って、パチパチと瞬きを繰り返す。
ユウキの顔は険しく歪んだまま。
歯を食いしばってるのが、ちょっと苦しそうにも見えた。
「……蓮と何やってたわけ?」
急にトーンダウンしたユウキが、口先だけでそう言った。
「あの、蓮のドラマの練習してて……」
「あんなに距離近い必要ある?」
「え?……えーと、そういうシーンだったから」
「そういうことじゃなくて」
……じゃどういうことなんだろう?