一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「……」
ユウキの手が、力なく頬を滑り落ちていく。
疲れたように表情がなくなって、大きな目にまつ毛が翳った。
「……レッスン始まる」
そう言うなりユウキは私の横を通り過ぎて、スタジオに続く廊下へと歩いていく。
モーヴの髪が揺れる後ろ姿は、今何を思っているのか――……
――深紫色の瞳の裏には、千景の顔が焼き付いている。
癖がなくなった髪型にも、心配そうに眉尻を下げる表情にも、
なんでか心をかき乱された気がして、イラついた。
“他の男に”ってなんだよ。
おかしいだろ。
必要以上に強く床を踏み締めて、不機嫌な音を立てて歩く。
“千景は僕のシンメ”
選んだ言葉は正しいはずなのに――
バグった思考を、荒い足音で踏み潰したい。
まだ足りないような胸のモヤモヤも、全部。