一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「蓮、ありがと……」
パッと顔を上げて蓮を見る。
すると、蓮は台本の端で軽く自分の顎を叩いて、独り言のように話し続けている。
「そこをいくと、ウサちゃんのやり方に寄せるといいんかなー。
でもアレは完全に別人だし、ちょっと違うか」
目線を下げて、真面目な顔。
まるで分析家のように、あれは、これはと話している。
「蓮?」
「うわっビビった!」
蓮は大きく体を跳ねさせ、胸を抑えながら私を見る。
よっぽど思考に集中していたみたい。
ちょっと意外だなって、呆気に取られた。
「……蓮って、意外と真面目?」
「意外とって、ひどくない?」
「ごめんごめん」と笑う額を、蓮が軽く小突いてくる。
ちょっと顰めっ面。
真面目って言われるのが恥ずかしかったのかもしれない。
演技初心者の蓮がたった2週間で颯斗役をものにし始めたのも、それが理由なのかもしれない。
チャラくて、
でも家族思いで、
意外と真面目な努力家で。
それから、結構私たちのことを見てくれている。
そう思ったら、なんだかちょっとくすぐったくて。
「なーににやついてんの。
ピュアな顔して意外といい性格してんのか、こら」
にやにやが止まらない私に、蓮が照れ隠しするみたいに唇を尖らす。
いつものように男子ノリで私の首に伸びかけた腕が、寸前で止まる。