一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「……」
蓮が一瞬私を見た。
「んー……」
何かの判断を迷っているように首を傾げる。
それから、止まっていた手が進路を変える。
ぽん、と。
首じゃなく、軽く頭を叩かれた。
(なんかちょっと、戯れ方がいつもより丁寧なような?
……気のせいかな)
なんとなく神妙な顔をしている蓮に、よくわからないままにこっと笑いかける。
蓮は困ったように笑って、「まぁいっか」と小さく呟いた。
「蓮のおかげで、糸口が見えた気がする。
俺も頑張って答えを見つけるから、蓮も次の撮影頑張ってね」
「ん。お互いがんばろー、だね」
君恋の第一話放送まで、あと少し。
その後には、恋色サイダー初披露の歌番組の出演が控えている。
この時はまだ、少しだけ前に進めた気がしていた。
その先に、もっと大きな壁が待っているなんて、考えもしないまま。