一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
#31 炎上
“美嶋千景”を演じる――
蓮からヒントをもらってから、数日。
今日は恋色サイダーのレコーディングの日だ。
(上手くできるかな、やれるかな……)
今日の歌声が、恋色サイダーのオリジナルの音になる。
そう思うと、緊張がどんどん胸を圧迫してくる。
……いや、大丈夫!
ちゃんと練習してきたし。
それに、ちゃんと、“美嶋千景”を掴んできたから。
今はユウキのレコーディング中。
あの暴発レッスンからしばらく経って、いつも通りを取り戻したように見えるユウキをみんなで見守る。
「次、千景かー。緊張すんね!」
隣に座る南が、わはは、と豪快に笑いながら頭を撫で乱す。
「わっ……うん。緊張はしてる。
けど……」
緊張に脈打つ胸は誤魔化せない。
だけど、この胸のドキドキは緊張だけじゃなくて。
「けど?」
反対隣に座る昊が、途切れた言葉に首を傾げる。
その隣にいた蓮が、「よしやれ」とでも言うようにニヤリと笑いかけてきた。
だから、私も頷いて答える。
ほんの少し、唇が上向いた。
「ちょっと楽しみでもあるんだ」