一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―



夜21時。

家のベッドに座り込んで、ドキドキしながら電話のコール音を聞く。


何コール目かに、音がブツンと途切れて向こう側へと繋がる。


「――珍しいじゃん。千景からかけてくるなんて」


王様みたいな余裕たっぷりの、俺様感漂う色っぽい声。

「……久しぶり、お兄ちゃん」

テレビで毎日観てるけど。
喋るのはこの間会った春以来だ。

「で?何か用?」

話が早い。
無駄を嫌う兄には、私が電話した理由が世間話するためじゃないこともバレている。

「お兄ちゃんってさ、モデル界隈に人脈ある?」

「あるけど?」


――ビンゴ!

さすが、芸歴長い売れっ子俳優。

思わず小さくガッツポーズ。口角もぐっと上がった。

「そんなお兄様に、一つお願いがあります……!」

兄には見えてないのに、しっかり腰を折ってお辞儀する。

これは、私の力じゃない。
本当にいいのかな。

今更、まだそう思うけど、手段なんて選べない。

蓮を助ける糸口を見つけるために、美嶋日向の威光に頼ることにした。
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