一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
——ことの発端は、2時間前。
レッスン終わりのスタジオでのやりとりから始まった。

スタジオの端と端で、私とユウキはいつものように自主練をしている。

ユウキの耳にはイヤホン。正面の壁面鏡に集中して、外音をシャットアウトしている。私は頭の中で

ゆっくりとカウントを取りながら、キリングポイントの確認。

そんな室内の後方で、こちらもいつもどおりさっさと帰り支度をしている南・蓮・昊が雑談をしていた。


「そーいやさ、今日だろ?蓮のドラマの初配信日!」


タオルを雑にバッグに詰める南の明るい声に、Tシャツの裾を伸ばす蓮が苦い顔をする。

「そーなのよ。観たくないわぁ。今から胃痛い」

「……虚弱体質」

整然と荷物を整理して、すでに支度を完了させそうな昊がボソリと呟く。

「おっ!じゃあさじゃあさ!みんなで鑑賞会!しよーぜ!」

南が名案!とばかりに一段声を大きくする。
対して、蓮と昊の反応は至って白けていた。

「うぇえ……?どこに集まんの?まさか南の家?」

「いや!俺ん家(ち)は足の踏み場がない!」

胸を張って自信満々に南。
じゃあ……と蓮がちらりと昊の方を見る。

「…………」

“え?”と低い声が聞こえてきそうな冷ややかな昊の顔。
「……は、ないよねぇ」と蓮がにこやかに即撤退した。
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