一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「いや、テキトー過ぎでしょ。
こう、前じゃなくて右に踏み出すカンジじゃない?」
「手の動きも左右逆だったしね」
言いながら、蓮と昊が南の両サイドに立つ。
蓮は呆れ気味だし昊は淡々としてるけど、南を囲む雰囲気は温かいように見える。
「この手がこうで――……タ・タン!こうっしょ!?」
「残念ハズレでーす。タタ!ね、ここ」
「……蓮のそれもなんか違うけど」
「「えっ」」
「なんだよもう」と和気藹々とした笑い声が咲く。
(いいなぁ。みんなで楽しそう)
まるで友達同士みたい。
いつも隅っこで遠目に見るだけだった、キラキラな世界。
微笑ましいような寂しいような、なんとも言えない気持ちで見ていると、ふと南と視線がぶつかる。
その笑顔がより大きくなって、大きな手をブンブンと振り始めた。
「なーに他人事みたいに見てんだよ。千景、ウサ!
お前らもやるの!こっち来い!」
その言葉に、私もユウキもピタリと固まる。
私も入れるんだ。輪の中に。
トクンとくすぐったいような鼓動が、胸に波紋を広げる。
まだ丸いままの目に、南と蓮の笑顔と無表情ながらもこっちを見ている昊の顔が映った。
「――うんっ」
跳ねるように弾んだ足が、床を蹴って駆け出す。
「ワンコみたいに走ってきちゃって。かーあいいね〜」
「千景は南に懐いてるよね」
蓮が犬にするみたいに私の頭をぐりぐりと撫で回す。
昊はそれを溜め息がちに見守っている。