一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
――少し離れた端のスペース。
ユウキがひとり、音もないのに振りをなぞっている。
さっきまでみんなで確認していたはずのシンメの立ち位置。
右足を出す角度、顔を切るタイミング、指先の高さまで、
まるで定規で測るみたいに、何度も何度も。
そのこめかみには汗が伝うのに、表情はずっと涼しいまま。
真剣な姿にみんな黙ってその姿を見つめた。
「……体力オバケ」
私の側にいた昊が真面目な顔でポツリと呟く。
あのきゅるっとした顔にそんな脳筋みたいな単語、似合わなすぎるけど、言いたくなる気持ちもわかる。
「ウサちゃんて、ちょっと前まで別のアイドルグループにいたらしいよ〜?
だから慣れてんでしょ。レッスン地獄に」
そういえば、宇都さんが地下ドル出身の人がいるって言ってたっけ。
思わず見惚れる表情や声の作り方を思い出して納得。
アイドルの魅せ方を、ユウキはわかってるんだ。
――それから、それを実践するための努力を少しも惜しまない。