一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
脇目も振らずに鏡の前の自分と向き合うユウキから、気づけば目が離せなくなってる。
そんな私に気付いて、南がクスリと笑った。
「かっこいいよな、ウサ」
その言葉に、ハッとする。
今胸に抱いていた気持ちを、的確に言葉にしてもらった気がした。
「うん。――だから、ちょっと悔しい」
立ち上がったのはほぼ脊髄反射。
そしたらもう、飛び込んでた。
ぽっかり空いているように見える、私のポジションに入ってユウキに合わせてダンスする。
ちょうど向かい合うシーンで、視線がぶつかった。
「なっ……」
ずっと崩れなかった涼しい顔が、驚きで崩れる。
それでも動きが止まらないのは、染み込んだアイドル性なのだろうか?
「俺も混ぜてよ、ユウキ」
しし、と照れ笑いで誤魔化してポンと同じステップを踏む。
ユウキは“理解不能”という顔をして、狂った調子を深いため息で整えた。
「……好きにすればっ」
鏡に向かって正面向き。
今日は左右対称の同じ動きをなぞる。
同じタイミングで腕が上がる。
右足を出す角度も、顔を切る速さも、一瞬だけぴたりと重なった。
ほんの一拍だけ。それでも、バラバラだったはずの私たちは確かに“対”に見えたから。
ちょっとだけシンメっぽくなれたような気がした。