一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
ユウキは何も答えない。
苦々しい顔で下を向いただけだった。
「あなたが誰よりも努力してるのは知ってる。
でも誰にも背中を預けられないなら、グループでの活動なんてできない。
“LinKAge”の時の二の舞になるだけだよ」
――“リンケージ”?
その単語を聞いた瞬間、ユウキの肩がびくりと揺れる。
モーヴ色の前髪から僅かに覗く俯いた顔は、傷ついてるみたいに見えた。
「――に、」
震える唇が僅かに開く。絞り出した声が聞こえた。
「そうならないために、最初から誰も信じないようにしてるんです……!」
痛みを伝播させる強がりの声に、胸がギュッと締め付けられる。
SEIKOさんだけは、毅然とした態度を崩すことなく貫くようにユウキを見つめたままだった。
数秒して、感情の昂りが収まってきたユウキの体から力が抜ける。
疲れたような顔をして、静かに俯いた。
「――すみません。今日はもう、帰ります」
返事も待たず、ユウキは逃げるように荷物を掴んでレッスンスタジオを飛び出す。
引き止めたいのに、喉が詰まって声にならない。
追いかけるべきなのかもわからないまま、閉まった扉の音だけがやけに大きく耳に残った。