一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
みんなの表情が一瞬固まる。
まだグループにこれからなろうとしている状態の私たちには、遠過ぎる言葉だったから。
「解散の理由はユウキさんの傍若無人さにメンバーが愛想を尽かしたから
――と、界隈では噂になっています」
圧倒的センターと、冷めた態度の他メンバー。
ユウキだけ本気でやっているのが空回りしているように見えて、噂の裏打ちをしているかのようだ。
「ウサちゃんキッツイからなー。
NO MERCYやった時もちょっとトチったら“そこ違う!”ってそりゃもう鬼のように怒ってきて」
「……それは蓮が同じとこで凡ミス繰り返すからでしょ」
「鬼2人に挟まれて、俺すっごい大変だったぁっ」
「えーん」と泣き真似を始める蓮に、沈んだ空気がちょっとだけ柔らかくなる。
そういえばNO MERCYのパフォーマンスは独りには見えなかったけれど、個の強さを見せつけるみたいな印象だった。
「NO MERCYの構成はみんなで考えたの?」
「そだけど。あ、でも大枠はウサちゃんだね〜」
いつもユウキはずっと独りで戦おうとしてる。
――けど、あのパフォーマンス対決の後からそう言い切れないこともあって。
『ひとまず一緒にやってやるっ』
そう言って私の手を取ってくれた時の、照れた顔を思い出す。
あれはユウキにとっては、ただ私を同じグループにいていいと認めただけの意味合いだったのかもしれないけど。
『……はよ』
次の日から、返ってくるようになった挨拶。
自主練に混ざっても、嫌そうにしつつ拒否しない態度。
(独りがいい人は、“そう”はならないよ)
急に黙り込んだ私をずっと見ていた南が、クスリと笑う。
無意識に力がこもっていた肩に、ポンと軽く手を置いた。
「どうする?千景」
吸い込まれそうなシルバーの瞳。
余裕に微笑むその顔は、私の背中を押してくれる。