一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
#12 シンメじゃん。俺たち
翌日、早朝。
静まり返ったいつものスタジオA。
そのドアを静かに開いたのは、ユウキ。
「――おはよ!」
大きく開いたドアの前に立つユウキの姿を見つけた瞬間、立ち上がって明るく声をかける。
すでに煌々と照明のついたフロア。
その真ん中に立ってる私。
ユウキは純粋に驚いているようで、目を見張ったままそこに立ち尽くしていた。
「今日は俺が、1番のりだねっ」
しし、とはにかみ笑ってみせる。
まだ何も言わないユウキが一歩、中に入る。
手の支えを失った防音扉が、音もなく閉まっていく。
最後に外の空気が遮断されたパンという音が静かに響いた。
二歩、三歩とユウキは私の前にゆっくりと辿り着く。
「……なんで……」
ぽつり、やっとの思いで出た呟きがユウキの唇から溢れる。
その顔には動揺と困惑が滲んでいた。
(重くならないように、明るく、軽く……)
頭の中でそう唱える。
ユウキの感情の変化を見逃さないように。
心の中で緊張をごくりと飲み込んだ。
「ユウキはちゃんといつも通りに来るって思ってたから」
深紫色の瞳が揺れる。
その視線を、逸らさない。