一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

メジャーデビューという、同じ夢に向かってみんなで頑張ろうとしてた。


けど、数多ある地下アイドルグループのひとつ。
すぐに結果が出るわけもなく、数人しか観客のいないライブハウスで歌い踊る毎日。


理想と現実のギャップに、ちょっとずつ何かがズレていって。


『サビの振り、もっと揃えたほうが良くない?ラストの手の角度とか――』

『細か過ぎ。そんなとこ誰も見ないって』

『いや、でも絶対そっちの方が』

『ダルいな、こんな売れないメン地下グループにそんなクオリティ求める奴いないって言ってんの』


いつの間にか仲間たちは夢を忘れて、やる気を失っていった。
少なくとも、僕にはそう見えた。


けど、それはまだ芽が出ないからだ。
芽が出れば、人気が出てファンが増えれば、きっと最初の熱を思い出す。


そのためには、まずは僕等が輝かなくちゃ。
もっとパフォーマンスを磨いて、成長しなくちゃいけない。


(証明する。
歌もダンスも磨いて、表情の作り方も全部研究して計算して。
努力すればちゃんと結果がついてきて、輝けるって)


それを目の当たりにしたら、アイツらもきっと最初の熱を思い出す。


――ライブ以外の日は、毎日朝も夜もなく練習した。


『プロデューサーに相談して、練習メニュー見直してみた。もっと筋トレとか基礎練したほうが、ダンスも歌も安定するかと思って』


メンバーへの働きかけも忘れない。
渋い顔されたけど、メジャーデビューに必要なことだからと諦めなかった。

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