一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

――――
――……

「ユウキ?」

黙ってしまったユウキが虚ろにどこか遠くを見ているように感じて、慎重に呼びかける。


ハッとして我に返ったユウキが、強気な顔を作ろうとして失敗したみたいに唇の端だけを歪めた。


「どんなに一緒にって思ってたって、相手にその気がなきゃ意味ないから」


投げやりな言葉。でも、初めて溢れた弱音だ。

その言葉が、あまりにも寂しく聞こえて、ユウキに向かって手が伸びる。


いつか私の手を取ってくれたその手を、今は私がそっと握った。


ユウキのまつ毛がビクッと揺れる。
振り解かれそうになって、咄嗟に強く握りしめる。

今日はひんやりと氷みたいに冷たい手だった。


暖房もつけずにいて冷え切った空気を、深く吸い込む。
声に変える頃には熱を持つように、大きく口を開いた。


「それでも独りで戦い続けたユウキはすごいっ」


パン、と反響するほど大きな声が出た。
日頃のボイトレの成果だろうか。

ユウキも思わず面食らった顔で固まった。


「俺は、三嶋日向の弟って立場からずっと逃げ続ける人生だったから!
完璧でなくちゃっていうプレッシャーに、耐えきれなかったから……」


自分の弱さを晒すのって、思ったより削れる。
下がりそうになった目線を、ちゃんとユウキに縫い付けた。


「だから、ちゃんと立ち向かってきたユウキのこと、本当にすごいと思う」


笑おうとして、ちょっと失敗して眉尻が下がる。


「……でも、独りは苦しくない……?」


その言葉を聞いた瞬間、私の手の中にあるユウキの手にギュッと力が入った。
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