俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

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 仕事終わり、自宅でビールを片手にドラマを見るのが結衣の至福のひとときだ。

「今週も疲れたー」

 どさりとソファーに座ると、大好きなネットドラマの続きを見始める。最近一番のお気に入りは、中世風のファンタジー世界で平凡な女の子が宮廷料理人の頂点を目指す中華風ドラマだが、今日は毛色を変えて現代が舞台の恋愛ドラマにしてみた。

(ビール片手に摘みを楽しみながらドラマ鑑賞、まさに至福のひととき……)

 庶民女子の幸せをしっかりと噛みしめる。
 画面の中の男女が言い争いを始める。誰もがうらやむ御曹司と平凡な女子社員の恋は一筋縄ではいかないようだ。

「あー、住む世界が違うってやつか。難しいよねー。どうしても、育ちの差で違和感とかもあるだろうし」

 ドラマを眺めながら感想を呟く。

「そういえば、私も社長と最初に食事に行ったときは戸惑ったなぁ)

 突然入ったこともない高級店に連れて行かれて、とても困惑したことを思い出す。
 そのとき、ふと閃いた。

「育ちの違い……。そうだ。それよ! 私の素の生活を知れば、社長もドン引きして、ベストパートナーマッチングアプリ事業は間違いだとが間違いだったことを認めるはず!」

 どうしてもっと早く気付かなかったのだろう。
 そうと決まれば行動は早いほうがいい。酔った勢いも相まって、結衣はその場でスマホを取り出して、シェアラを開く。

【次回ですが、私がお店を選んでもいいですか?】

 返事はすぐに返ってきた。

【ああ。好きなところで構わない】

「よしっ」

 結衣はにまっとする。これぞ庶民系を象徴するような、ちょうどいいお気に入りの店があるのだ。

(あそこに連れて行けば、社長も私と付き合うのは無理だって悟るわよね)

 結衣は勝利に向けて自信を深めた。
 
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