俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

4-3

 深夜22時。ようやく資料作成がひと段落した結衣は、両手を上げてうーんと伸びをする。

「お腹ペコペコ。ちょっと休憩しよ」

 コンビニで買っておいたサンドイッチを頬張り、缶コーヒーで流し込む。夕食にしては質素だが、何も食べないよりはましだろう。

「結衣?」
「え?」

 すでにフロアには自分ひとりだと思っていた結衣は、名前を呼ばれてびっくりする。振り返ると、フロアの入り口に浩斗が立っていた。

「社長?」
「こんな時間まで仕事か?」

 浩斗は結衣のデスクに近寄る。

「ちょっと今日中に終わらせておきたいことがありまして。社長は今日、会合から直帰の予定では?」
「そのつもりだったんだが、用事を思い出して戻ってきた」

 浩斗は結衣のデスクをチラッと見る。食べかけのサンドウィッチが置かれており、なんだか気まずい。
 浩斗の眉間に、僅かにしわが寄る。

「……仕事が立て込んでいて厳しいなら、次の約束の日はキャンセルするか?」
「え?」

 なんのことかと聞き返し、すぐに、以前『週に一回は会うこと』と浩斗が言ったことを思い出す。

(もしかして心配している? まさか社長がそんな気遣いを?)

 驚いた結衣は、まじまじと浩斗を見つめる。

(あ、わかった! 私の心配しているんじゃなくて、仕事が回らない心配をしているのね?)
< 95 / 255 >

この作品をシェア

pagetop