お試し婚のはずが、いつの間にか溺愛されています!~二度も婚約破棄された外科医は受付事務員に愛を捧ぐ~
「で……」
院長が、箸を置いた。
「結婚は、いつにするんだ?」
「……え?」
思わず声が漏れる。
「先延ばしにしても仕方ないだろう? だったら、早い方がいい。できれば、今年中にでも」
私は一瞬、言葉を探した。
今年中……?
隣を見ると、彼も少し驚いた表情をしている。
「父さん、さすがに急すぎる。それに……」
「何が急なんだ? お互いに好きあっているなら、早い方がいい」
晴美さんも頷きながら、「そうよ。いいご縁は、早く形にした方がいいの」と後押ししてきた。
畳みかけるような言葉に、胸がざわつく。
私たちはまだ正式に付き合っているわけでもなく、心の準備もできていない。
城高山先生が、私の様子に気づいたのか、そっと声を出した。
「結婚は、俺たち二人で決める」
はっきりとした口調だった。
「彼女に、負担をかける形にはしたくない。今すぐじゃなくてもいいだろ? ちゃんと順番を踏みたい」
私は、驚いて彼を見る。
「壱知は以前と変わったわね、いい意味で。本当に勝浦さんが好きなのね」
晴美さんは少し意外そうに目を瞬かせたあと、ふっと笑った。
「まあ、本人たちがそう言うなら仕方ないか。いずれは、
結婚する気がある、ということだけは分かった。とりあえずは、それで十分だ」
院長は腕を組み、しばらく考えてから息をつく。
「ありがとうございます」
私は、胸の奥に溜まっていた息を、ゆっくり吐き出した。
テーブルの下で、城高山先生が私の手を、ぎゅっと握る。その優しい温もりが嬉しい。
この人となら、ちゃんと進める。
ご両親も認めてくれたのなら、身分差も大丈夫かな? 乗り越えられるかもしれない。そう思えたことが、何よりの承諾だった。
城高山家を出ると、まだ冷たい夕方の空気がひんやりと肌に触れた。
さっきまで張りつめていた気持ちが、少しずつほどけていく。
院長が、箸を置いた。
「結婚は、いつにするんだ?」
「……え?」
思わず声が漏れる。
「先延ばしにしても仕方ないだろう? だったら、早い方がいい。できれば、今年中にでも」
私は一瞬、言葉を探した。
今年中……?
隣を見ると、彼も少し驚いた表情をしている。
「父さん、さすがに急すぎる。それに……」
「何が急なんだ? お互いに好きあっているなら、早い方がいい」
晴美さんも頷きながら、「そうよ。いいご縁は、早く形にした方がいいの」と後押ししてきた。
畳みかけるような言葉に、胸がざわつく。
私たちはまだ正式に付き合っているわけでもなく、心の準備もできていない。
城高山先生が、私の様子に気づいたのか、そっと声を出した。
「結婚は、俺たち二人で決める」
はっきりとした口調だった。
「彼女に、負担をかける形にはしたくない。今すぐじゃなくてもいいだろ? ちゃんと順番を踏みたい」
私は、驚いて彼を見る。
「壱知は以前と変わったわね、いい意味で。本当に勝浦さんが好きなのね」
晴美さんは少し意外そうに目を瞬かせたあと、ふっと笑った。
「まあ、本人たちがそう言うなら仕方ないか。いずれは、
結婚する気がある、ということだけは分かった。とりあえずは、それで十分だ」
院長は腕を組み、しばらく考えてから息をつく。
「ありがとうございます」
私は、胸の奥に溜まっていた息を、ゆっくり吐き出した。
テーブルの下で、城高山先生が私の手を、ぎゅっと握る。その優しい温もりが嬉しい。
この人となら、ちゃんと進める。
ご両親も認めてくれたのなら、身分差も大丈夫かな? 乗り越えられるかもしれない。そう思えたことが、何よりの承諾だった。
城高山家を出ると、まだ冷たい夕方の空気がひんやりと肌に触れた。
さっきまで張りつめていた気持ちが、少しずつほどけていく。