お試し婚のはずが、いつの間にか溺愛されています!~二度も婚約破棄された外科医は受付事務員に愛を捧ぐ~
一途な愛を捧ぐ
お試し婚が順調な中、病院関係者との集まりに呼ばれる頻度が増え、視線の向け方が変わったのが分かった。
そんな気配が、いつも背中にあった。
ある日、義母から「みんなに紹介したいから一緒に来て」と言われ、病院の理事会後の控室に通された。
そこには、何人かの親戚と理事がいた。
「こちらが、息子の婚約者です」
義母は、私を一歩前に出す。
逃げ場はない。
でも、もう逃げないことにする。
「はじめまして、勝浦小春と申します。至らない点も多いですが、よろしくお願いいたします」
声は、思ったより落ち着いていた。
視線が、再び私をなぞる。
「お仕事は?」
「医療の知識は、あるのかしら?」
棘のない、でも品定めの質問。
「仕事は城高山記念病院の受付事務をしています。分からないことは、教えていただければと思っています」
言いながら、私は思う。
完璧である必要はない。
向き合う姿勢だけは、嘘をつかない。
「この子はね、無理に出来るふりはしないんです。
やさしい声だけど、芯がある。
「分からないことは、分からないと言う。それが、医療の現場で一番大切だと、私は思っているわ」
理事の一人が、わずかに頷いた。
「それに彼女は、息子がこの病院の跡取りだから婚約したわけじゃない」
その言葉に、空気が変わる。
「二人が一緒に生きる、その結果として家族になるだけ」
私は、胸の奥で深く息を吸った。
晴美さんは立場の弱い私を、さりげなく前に立たせてくれている。
そのあと、さりげなく話題を切り替え、私が追い詰められないよう、会話を整えてくれた。
正直言うと、城高山先生と結婚するのはまだ怖い。
でも、逃げたらきっと後悔する。
ふと、彼の顔が浮かぶ。
私を守ると言ってくれた、その横顔。
そんな気配が、いつも背中にあった。
ある日、義母から「みんなに紹介したいから一緒に来て」と言われ、病院の理事会後の控室に通された。
そこには、何人かの親戚と理事がいた。
「こちらが、息子の婚約者です」
義母は、私を一歩前に出す。
逃げ場はない。
でも、もう逃げないことにする。
「はじめまして、勝浦小春と申します。至らない点も多いですが、よろしくお願いいたします」
声は、思ったより落ち着いていた。
視線が、再び私をなぞる。
「お仕事は?」
「医療の知識は、あるのかしら?」
棘のない、でも品定めの質問。
「仕事は城高山記念病院の受付事務をしています。分からないことは、教えていただければと思っています」
言いながら、私は思う。
完璧である必要はない。
向き合う姿勢だけは、嘘をつかない。
「この子はね、無理に出来るふりはしないんです。
やさしい声だけど、芯がある。
「分からないことは、分からないと言う。それが、医療の現場で一番大切だと、私は思っているわ」
理事の一人が、わずかに頷いた。
「それに彼女は、息子がこの病院の跡取りだから婚約したわけじゃない」
その言葉に、空気が変わる。
「二人が一緒に生きる、その結果として家族になるだけ」
私は、胸の奥で深く息を吸った。
晴美さんは立場の弱い私を、さりげなく前に立たせてくれている。
そのあと、さりげなく話題を切り替え、私が追い詰められないよう、会話を整えてくれた。
正直言うと、城高山先生と結婚するのはまだ怖い。
でも、逃げたらきっと後悔する。
ふと、彼の顔が浮かぶ。
私を守ると言ってくれた、その横顔。