御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
「のぼせた?」
「大丈夫です……」
「それならいいけど……。疲れてるだろうから、早く寝たほうがいい」

 一応、寝室を案内するとのことで、彼のあとについていく。
 彼の部屋は私の部屋の二つ向こうにあった。ちなみに間には彼の書斎部屋がある。
 普段、仕事をするときは書斎かリビングでしているらしい。
 寝室はほぼ寝るだけの部屋だといって案内されたけれど、寝室も寝室で十分な広さだった。
 もしかしたら私が以前暮らしていた1LDKがすっぽり収まってしまうかもしれない。

「ベッドは好きに使っていいから」

 好きにと言われてもさすがに家主を差し置いて、ど真ん中で眠るわけにもいかない。
 端っこで丸まって眠るにしても大きすぎるので、キングサイズぐらいありそうだ。実際にキングサイズのベッドを見たことがないので想像でしかないけれど、とにかく大人二人があともう数人寝ても問題なさそうな広さだった。

「じゃあ、俺は風呂に入ってくるから」
「……はい」
「先に寝る場合、リビングの電気はまだ消さなくていいけど、キッチン周りの照明だけは落としてもらえると助かる」

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