御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
「まぁ、でも可愛い奥さんがいるなら安泰ね。ずーっと結婚しないから困ってたのよ」
「俺は仕事一筋だと言ったはずだ」
「それでもよ。あなたみたいな子には支えてくれるような人が必要なのよ。なんでもひとりで突っ走るんだから」
「俺を子ども扱いするな」

 蓮さんがぴしゃりと言い放つ。
 だけど、ご両親にはなにも効いていないのか、のんびりとコーヒーに砂糖とミルクを溶かしこんでいた。

「蓮、もっとお砂糖持ってきてちょうだい」
「やめろ。体に悪い」
「もう、みんなそう言う……」
「私、持ってきましょうか? 体のためにも、たくさんはやめておいたほうがいいと思いますが……」
「まぁ、ありがとう! 千尋さんは気が利くわ〜」

 蓮さんに砂糖の場所を聞いてからソファーを立つ。
 砂糖とついでにミルクも追加で用意している間、三人の会話に耳をそばだてた。

「わかってると思うが、九条グループに泥を塗るようなことだけは今後も許さないからな。そのつもりで気ぃ、引き締めろ」
「当たり前だ」
「半端なことは許しませんからね。なにをするにも徹底的になんだから」
「はい」

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