御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
 お言葉に甘えて彼に片付けを任せて、私はまた楓くんに本を読み聞かせる。
 本を読むのが好きなのか、楓くんは熱心に本を読んでとせがんだけれど、次第にお腹いっぱいで眠くなってしまったのか、気付けばこてんと私に身体を預けて寝てしまった。

「寝ちゃった……」

 私の膝を枕にして、小さく丸まって眠る楓くんが可愛らしい。
 私は本を閉じると、なるべく動かないようにしてソファーにもたれ掛かった。

「楓、寝たのか?」
「そうみたいです」

 いつの間にか食器だけでなく、おもちゃの片付けまでしていたらしい彼が戻ってくる。
 蓮さんは楓くんを見るなり重いだろうと言って、楓くんを抱きかかえようとしたけれど、私は待ったをかけた。

「動かすと起きちゃうかも」
「……体勢、辛くない?」
「辛くないですよ。それに、可愛い寝顔を見ていると癒されます」

 さっきまであんなに元気だったのに、いまは天使のような顔で眠っている。
 ついつい髪を撫でたくなる手を引っ込めて、楓くんを見守るだけにする。
 するとソファーが深く沈み込んで、彼が私の肩にもたれ掛かってきた。

「蓮さん……!?」
「しーっ。静かにしないと楓が起きる」
「そう、ですけど……」

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