勘違い一夜から始まる極甘策士なドクターの激愛婚〜偽装結婚は旦那様の甘い罠でした〜
意味深に口角を上げる彼の目線がこちらに向けられ、ドキッと心臓が大きな音を奏でた。
やけに甘くセクシーな声でそんなふうに言われると、私が先生のものにされるみたいじゃないですか……ってなにを考えているんだ。
顔を熱くして内心悶えていると、遠くから「芹澤先生!」と呼ぶ声が聞こえてきた。病棟に繋がっている方から看護師の女性が呼んでいる。
「時間切れか。もっと話したかったんだけど」
小さくため息をついた先生はおもむろに腰を上げ、微笑みを湛えて私を見下ろす。
「またね、花恋ちゃん。今度会えたときは、もっと君のことを教えて」
「え、あ、はい……!」
私も立ち上がって反射的に返事をすると、彼は軽く手を振って歩きだした。
ぼうっと彼の背中を見たまま、今の言葉を頭の中でリプレイする。
『もっと君のことを教えて』
先生が私に興味を持ってくれたのかなと思うと、うれしいような恥ずかしいような。いつの間にかナチュラルに名前で呼んでいたし。
でも、飴や写真をくれたり、甘い言葉をかけたり。きっとこういうことをするのは、私に対してだけじゃないんだろうな。
「やっぱり女たらしなのかも……?」
甘酸っぱい飴を舌で転がして、ぽつりとつぶやいた。胸にちくりとした違和感を覚えるのは、結局また初対面のときのことを話しそびれてしまったせいだろうか。
白衣の裾をなびかせて颯爽と去っていく彼を、なんとなく複雑な気持ちで見送った。
やけに甘くセクシーな声でそんなふうに言われると、私が先生のものにされるみたいじゃないですか……ってなにを考えているんだ。
顔を熱くして内心悶えていると、遠くから「芹澤先生!」と呼ぶ声が聞こえてきた。病棟に繋がっている方から看護師の女性が呼んでいる。
「時間切れか。もっと話したかったんだけど」
小さくため息をついた先生はおもむろに腰を上げ、微笑みを湛えて私を見下ろす。
「またね、花恋ちゃん。今度会えたときは、もっと君のことを教えて」
「え、あ、はい……!」
私も立ち上がって反射的に返事をすると、彼は軽く手を振って歩きだした。
ぼうっと彼の背中を見たまま、今の言葉を頭の中でリプレイする。
『もっと君のことを教えて』
先生が私に興味を持ってくれたのかなと思うと、うれしいような恥ずかしいような。いつの間にかナチュラルに名前で呼んでいたし。
でも、飴や写真をくれたり、甘い言葉をかけたり。きっとこういうことをするのは、私に対してだけじゃないんだろうな。
「やっぱり女たらしなのかも……?」
甘酸っぱい飴を舌で転がして、ぽつりとつぶやいた。胸にちくりとした違和感を覚えるのは、結局また初対面のときのことを話しそびれてしまったせいだろうか。
白衣の裾をなびかせて颯爽と去っていく彼を、なんとなく複雑な気持ちで見送った。


