執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む
「さてと、探しますか」
 先生と鈴ちゃんを見送ったあと、再びデイルーム周辺をくまなく探し始めた。
 どうにかして見つけてあげたい。
 鈴ちゃんの顔を思い浮かべながら、そんなことを思う。
 ピンクのシュシュ、ピンクのシュシュ……。
 散らかったままの絵本やおもちゃを箱に戻しつつ丁寧に探していくが、なかなかそれらしきものは見つからない。
 あ、そういえば鈴ちゃん、ソファー付近にも隠れていたって言ってたっけ。
 ふいにそれを思い出し、ソファーの方へと足を進めていった。
 もしかして……。
 ソファーの隙間をグイッと覗き込む。
「あっ。あった!」
 思わず歓喜の声をあげ、シュシュを手に取った。
 鈴ちゃん、喜んでくれるかな。
 自然と頬を綻ばせながら、ナースステーションがある方へ向かう。
 あれ? こっちで合ってる?
 だけど、はやる気持ちとは裏腹にここに来て再び方向音痴炸裂だ。
 細く薄暗い通路が続いていて、なんだかここじゃない感が半端ない。
「資材室……」
 角を曲がった先にあった部屋のドアの上にあるプレートを見上げながら、そうつぶやく。周りを見渡すと物置に使われているような部屋がいくつかあり、ドアが少し開いていた部屋をチラッと覗き見た。
 やっぱり道を間違えてしまったようだ。
 慌てて引き返そうと踵を返したその時だった。
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