執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む
「ねぇ、いつになったら覚悟を決めるの?」
 女性の甘ったるい声。背筋が一瞬ゾクッとして、自然と足を止めた。
()(りゅう)先生、その件はお断りしたはずですが」
 今度は淡々とした男性の低温ボイスが響く。
 ふたりの声色に温度差を感じつつ、男性の声には聞き覚えがあって心臓がトクンと飛び跳ねた。
 ……声が聞こえたのは、この先からだ。
「その簡単には靡かないところも素敵よ。勤務中にここで密会だなんて、なんだかドラマの世界みたいだわ」
「医局でこういう話をされると、変な噂が立って困るので」
「あら、そう? 私は構わないわ。あなたに近寄る女が減るのはうれしいもの」
 艶やかな声。
 見てはいけない。
 見ない方がいいと、本能が言っている。
 でも、心の奥底から湧き上がってくる衝動を抑えられそうにない。
 数メートル先にある角を恐る恐る覗き込んだ。そこには──。
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