執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む
 それが嫌で、蓮斗くんとは意識的に距離を置くようになった。
 そんな私たちの関係に決定的なひびが入ったのは、高校二年生の時だ。
 ちょうどその時期、父が交通事故に遭い急死した。
 母も、私も、弟も、きっと一生分の涙を流したんじゃないかというくらいに泣いた。
 十三年経った今だって、あの日のことを思い出すだけで涙腺が崩壊しそうになる。
 そんな私たち家族に、蓮斗くん家のみんなは親身になって寄り添ってくれた。
 それなのに、私は……。
「……こういうの迷惑だから、やめてくれない? もう私には構わないで」
 父の葬儀が終わって一週間が過ぎた頃、号泣する私を抱きしめてくれた蓮斗くんに対して、そう言い放ってしまったのだ。
 中学校に続き同じ高校に進学していた私たち。この時の私は、学校で家族の死を使って蓮斗くんにまた近づこうとしていると酷い悪口を言われ、落ち込んでいた。それで行き場のない悲しみと怒りを彼にぶつけてしまった。
 今でもその時の彼の悲しそうな表情が忘れられないでいる。
 結局、それが引き金となって蓮斗くんとは口をきかなくなった。さらには、母が精神的に参ってしまったこともあり、私は母の実家がある横浜へと引っ越すことになり、蓮斗くんとは完全に顔を合わせなくなった。
 そのまま時が経ち、もう二度と会うことはないと思っていたのに。
 まさかこんな形で再会するなんて……。
 どう蓮斗くんに接するべきなのか。
 その解は今日も、出そうにない。
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