電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

こんな感じで仕事を続けて、木曜日の夜になった。
自宅に戻って夕食を簡単に済ませ、入浴をする。
部屋に戻りソファに腰をかけてアイスティーを飲む。
「ふぅ……」
私の頭の中を支配しているのは、やはり副社長のことばかりだった。
また札幌に来ると話をしていたけれど、土曜日に来るのかな。
どうなんだろうと考えていると彼から着信だ。
私はソファの上に正座して、深呼吸してから通話ボタンを押した。
『今大丈夫でしたか?』
「はい。特に何もしておりませんでした」
副社長のことを考えているときに電話が鳴るなんて以心伝心かもしれない。ほんの少しだけ胸の中に小さな炎が灯ったような感じがする。
『明日の最終便で北海道に向かう飛行機を手配しました。土曜日のランチでもしませんか?』
「どこかお店探しておきます」
『湯元さんセレクトのお店楽しみにしていますね。では』
電話は手短に済まされた。
きっと私の答えを焦らせないという彼の配慮のような気がする。
私は悩み続けていた。副社長とお付き合いをして将来的に結婚するなんて、やっぱり私には難しいのではないか。
相手のことを思う感情だけでは動いてはいけない気がして。
冷静にならなければと自問自答を続けていたのだ。
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