電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

一目に見るだけで仕事ができそうで素敵な女性だと感じる。会話をしなくても憧れてしまうそんな存在だった。
中田さんは副社長室に入り確認をしてきてくれた。
そして私と総務部長は入室することが許された。
この扉の向こうにしょうたさんが立っているのだ。
でも今は婚約者だとは思えず、会社の偉い人に会うのだという気持ちが強い。そのせいか唇が乾いていて指先が細かく震えていた。
扉を開くと翔太さんは立って出迎えてくれた。
爽やかな笑みを浮かべてこちらに視線を向けている。
「お疲れ様です」
電話越しの副社長の声も最高だったけど、こうして生の声を聞くのもやっぱり胸がキュンとする。
プライベートでのラフな格好も素敵だけど、スーツはやっぱり格別に似合っていた。まるでテレビドラマの世界で見るような副社長という感じだ。
今日の朝まで一緒に過ごしていた人なんて信じられない。別人なのではないかと思うほど、凛としている姿が素敵だった。
「副社長。朝のお忙しい時間に申し訳ありません。本日から北海道から来てくれました湯元さんです」
総務部長が私のことを紹介してくれた。
「ええ、お話は聞いておりました。行ったり来たりの生活になってしまうと思いますが湯元さんが引いてくださって本当に助かっております。どうぞよろしくお願いいたします」
翔太さんは完璧なスマイルを浮かべて頭を下げてくれる。
「お世話になりますが、よろしくお願いします」
かっこよすぎて頬がだんだんと熱くなってきた。直視することなんてできない。
「お世話になります。頑張りますのでよろしくお願いします」
挨拶をするのが精一杯だった。
翔太さんの実家に行ったときもそうだったけど、オフィスで見る翔太さんはまた格別で、新入社員の私と彼とではあまりにも身分が違うのだと改めて実感した。
身分差がありすぎる結婚。
本当にいいのかなと迷いが出てきたが、今は仕事に集中して頑張ろう。
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