電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

「中田さんと恋人だったという噂を聞いて……人と比べてはいけないと思いつつ、翔太さんの隣に立つにはふさわしい人がいるのではないかと暗い気持ちになってしまったんです」
私の話を真剣に聞いてくれている。
「でも人は人。私は私。私らしく翔太さんのことを支えていきたいと思えたんです。そして私だけが守ってもらうのではなくて、ともに歩んでいける人間になりたいと……。私は翔太さんと歩む道を突き進んでいきたいです」
気持ちを伝えるのにはこんなにも勇気が必要なのだ。
しかし、伝えなければ理解してもらえない。
「仕事を続けたいという気持ちはありました。社会人として人間的に成長したいと思ったからです。ですがそれは逃げていたのかなとも思ったんです。二足のわらじを履くのではなく、翔太さんの妻として集中して全力を尽くしたいと心から今は覚悟が決まりました」
情熱を込めて私は自分の言葉で気持ちを伝えた。
翔太さんは瞳に涙を浮かべてしっかりうなずいてくれている。
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