電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

空港から翔太さんのマンションに向かう途中に、ドラッグストアによって妊娠検査薬を購入する。
もしも私のお腹の中に赤ちゃんが宿っていたら……。
大好きすぎる翔太さんの子供ができていると想像したら楽しみすぎて感情がコントロールできなくなった。
まずは落ち着いて検査をしてみなければわからない。
翔太さんは迎えに来てくれると言っていたのだけど、急遽仕事が入ってしまったようで私は先に家に戻っていた。
これからはずっと一緒に翔太さんと暮らすことができるんだ。
「嬉しいな……」
そう呟いてからお手洗いに入り、検査をした。すると陽性と出たのだ。
「え! うっそ……!」
あまりにも喜ばしいことで思わず大きな声で叫んでしまった。
一瞬不安な気持ちになった。
きっと経験のないことだから、感情が揺れ動いたに違いない。翔太さんなら絶対に喜んでくれる。
そう思って彼の帰りを待っていた。

夕方になり翔太さんが帰宅し、私たちは会えなかった時間を埋めるように抱きしめあった。
「この日をずっと持っていた」
「私も!」
「今日はお祝いだからワインを買ってきたよ」
そう言って美味しそうなワインを見せてくれたんだけど、私は言葉に詰まってしまう。
妊娠中はあまりアルコールを飲まないほうがいいのかも?
ちゃんとした知識を持ち合わせていないので、反応に困ったのだ。
するとすぐに私の様子がおかしいことに気がついた翔太さんは、顔を覗き込んでくる。
「なんかあった?」
「……実はですね」
ちゃんとタイミングを見て伝えようと思っていたのに、これは伝えなければならない流れになった。
先ほどの検査の結果を持ってきて見せた。
「え? これって」
「……赤ちゃんができたみたいなの」
「本当か? えー……すごい……嬉しい」
こんなにも呆然としている翔太さんの姿を見たのは初めてだ。
そして強くまた抱きしめてきた。
「明菜……もちろん産んでくれるよな?」
「はい」
「ありがとう。なんか夢を見てるみたいだよ……俺、父親になることができるんだな」
喜んでくれている姿を見て私は感動した。

そして私は翔太さんのお母さんに紹介してもらった産婦人科を受診し、十四週目に入ったとの診断結果だった。
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