【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
綺麗な黄色のオムレツには真ん中にケチャップがかけられていて、おいしそうだ。カリカリに焼かれたベーコンやパン、果物も用意されている。
「それじゃ、いただこうか」
「はい、いただきます」
「いただきます」
ふたりで両手を合わせ、早速フォークを持つ。
美雨はオムレツを口に運び、パッと目を見開いた。
今まで食べたことのない、ふわふわトロトロな食感にバターの風味が利いている。
卵の味も濃く、これがプロの技……と唸るしかできない。
「どうしました?」
「あまりにもおいしくて……。きっと素材にもこだわっているんでしょうね」
「ああ、なるほど……そうですね、そのはずです」
一希は納得したように言葉をこぼし、ふっと表情を緩ませた。
「気に入ってくれました?」
「とても。庶民なので昨日と今日のことは夢のようです。……あの、昨日からすごくよくしていただいて、ありがとうございます。そして、ごめんなさい」
フォークを置いて、美雨は一希に頭を下げる。彼は目を瞬かせ、「そんな、気にしないでください」と彼女の肩に触れる。
「人肌が恋しいときだってあるでしょう。昨日がたまたま、そんなときだったんですよ、きっと」
「私の人恋しさに付き合わせてしまうなんて……」
「役得でしたよ」
役得? と美雨はぽかんと口を開けた。その口に一希は小さくちぎったパンを押し込む。
反射的に口を閉じ、もぐもぐと咀嚼すると小麦の味が濃くてびっくりした。もちもちとした弾力で、食べ応えもバッチリだ。
「あなたはもっと、自分に自信をつけたほうがいい」
ごくん、と飲み込み、美雨は一希を見つめる。自分に自信をって、どういう意味? と首をかしげる彼女を眺め、今度はカリカリに焼かれたベーコンを差し出す。
付き合いたてのカップルや、新婚のようなことをされて、美雨は自分はいったいなにを考えているの、と頬を朱に染めた。