【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「ところで、どこに行くのですか?」
「近くに百貨店があるから、そこに。そろそろ母の誕生日でね、女性の意見が聞きたいんだ」
「そういうことでしたら、喜んで」
ホッと胸をなで下ろし、美雨は柔らかく言葉を紡ぐ。
それと同時に、母親にプレゼントを贈る息子もいるんだと感心した。
朝食を食べ終え、身支度を整えるとホテルから百貨店へ移動する。
移動中もいろいろな話をして、なんだか楽しい気持ちが湧き上がってきた。
「あ、ここだよ」
「……ほ、本当に私が入っていいのでしょうか……」
美雨は着いた場所を見上げて身体をブルリと震わせる。
百貨店なんて今までの人生の中でめったに行かない場所だったので、ドクドクと心臓が早鐘を打つ。
「とりあえず、こっち」
「は、はい!」
一希が美雨の手を握り、百貨店の中に入った。
店員の「いらっしゃいませ」という鈴のような美声が聞こえた。その店員へ視線を移すと、とても美しい人だった。いや、周りを見回せば美しい人がたくさんいる。
(なんてまばゆいの……)
スタスタと迷うことなく歩く一希は、ブランドのコスメカウンターで足を止めた。