【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!

デート 後編

 美雨はチェックのストールに近づいて、説明に目を通す。

 カシミヤのストールはとても肌触りがよく、よく見るとシルクと配合されていた。

 大判のストールでこの赤とマルチカラーのチェックなら、差し色としても使えそうだ。

「それじゃあ……うん、これにしよう。それと……あ、これ。ちょっとこれを試着してみてくれないかな?」
「……え?」

 渡されたのは、藍色のワンピースだった。花の刺繍が細かく、上品な印象を与えている。

 近くにいた店員が美雨を「こちらへ」と試着室まで案内した。

(また流された……)

 昨日から流されっぱなしではないか? と眉を八の字にする美雨は、おとなしくワンピースを着てみた。

 Vネックのワンピースはマキシ丈で、今の美雨の化粧とピッタリだ。

(馬子にも衣装、とは言えないくらい、似合っている気がする)

 鏡の中の自分をじっくりと観察する。

(――お姫さまにでもなったみたい)

 クスッと笑ってしまった。

 まるでシンデレラが魔法使いにドレスアップされたよう。

(シンデレラの魔法は、二十四時で解けてしまうけれど……)

 もう少しだけ夢を見る分には、構わないだろうかと心の中で自分に問いかける。

「お客さま、いかがですか?」
「せっかくだから、見てみたいな」
「あ、は、はい……!」

 試着室の外から声をかけられて、美雨はくるりと振り返って試着室の扉を開けた。
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