【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「あ、ありがとう、ございます……」
顔を両手で覆い、まさか、本当に、そんなことが? と混乱している美雨のもとに、注文したカフェオレが届いた。一希のコーヒーも一緒だ。
とりあえず、気持ちを落ち着かせようとカフェオレを口にする。
(甘さ控えめだ)
思っていた以上にあっさりとしたカフェオレだった。このくらいのほうが好みかもしれない、とカップの中身をマジマジと見つめていると、一希も一口コーヒーを飲んだ。
「あ、おいしい。ブレンドコーヒー当たりだ」
「カフェオレもおいしいです」
「両方当たりか」
くつくつと喉を震わせて笑う一希を眺めていると、注文していたナポリタンセットとラズベリーのパンケーキが運ばれてきた。
美雨の前にパンケーキ、一希の前にナポリタンセットが置かれ、ふたりは顔を見合わせ、店員が「ごゆっくりどうぞ」と傍を離れてからそれぞれの皿を取り替える。
「やっぱり女性の注文が多いんだろうね、パンケーキ」
「……見た目もいいですしね」
薄めのパンケーキの上にたっぷりのホイップがのっている。ラズベリーがホイップに散りばめられ、白と赤のコントラストが美味しそうに見える。小さなココットに赤いジャムも用意されているので、好みに合わせて使うのだろう。
「こういうのを自分だけのときに注文するのって、勇気がいるから、きみがいてくれて助かったよ」
「いえ、その……私こそ、先輩のおかげで助かりました」
昨日のことを思い返して、どうして自分が彼と一緒に過ごしたかったのか、その理由がわかった。
あの夢を見たことや、一希にその先輩の面影を重ねたり、秋という肌寒い時期だったり、今の自分の現状が不安定だったこと……そのすべてが重なり合って、彼の手を取った。