【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!


「せ、先輩。どこに向かっているんですか?」
「ん? 俺の家。って言っても、祖父から譲り受けた家なんだけどさ」

 高級住宅街に? と違う意味でドキドキしてきた。やはり一希とは住んでいる世界が違うのだとしみじみ思う。

 電車から数分歩いたところに『(そめ)()』という表札の前で足を止める。

「ここが俺の家……なんだけど、まぁ、とりあえず入って」

 高級住宅街に大きな一軒家。ガレージには高級車。中学の先輩がセレブだったとは知らなかったと呆然としながら、家の中に入った。

 だが、すぐに違和感を覚える。

「……なんだか」
「空気が悪いだろう? 相続したのはいいけれど、開業したクリニックに休憩室を作ったから、ついそこで過ごしてしまうことが多くてね……」

 リビングに案内されて、座るようにうながされた。椅子に座ると、美雨の真正面に一希が座り、肘をテーブルについて両手を組んだ。

「早速本題だが……きみに、この家を任せたいんだ」
「ま、任せる? ですか?」
「ああ。家は住まないと痛むというだろう? せっかく祖父から譲り受けたのに、このまま朽ちていくのは本望じゃないんだ」
「えっ、でも、それって……私がここに住むってこと、ですか!?」

 ぎょっと目を大きく見開く美雨。真剣な表情で、一希はうなずいた。
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