【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「おしゃれは我慢が必要なんだよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんは知らないだろうけど」
くすくすと笑う声には棘があった。美雨にはおしゃれなんて無理だろうと嘲笑う愛奈を眺め、一希がまなざしを鋭くさせる。
「お腹すいたー。ご飯なーに?」
「ちょっと待ってね、準備するから」
「ええ、来たらすぐに出せるように準備しておくのが常識でしょー?」
「愛奈が時間通りに来るわけないじゃない」
バッサリと切り捨てて、美雨はキッチンへ移動し、解凍しておいたパイシートを見つめて手を動かし始めた。
いろいろ温め直したり、盛ったりしていると一希が手伝いに来てくれた。
「……大丈夫?」
「すみません、あの子、失礼なことをして……」
「俺は大丈夫だよ、覚悟はしていたけれど……結構強烈な子だね」
ヒソヒソと小声で会話をすると、「まだー?」と催促する愛奈の声が耳に届く。