二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
曾祖母もあのとき、こんな気持ちだっただろうか。
ドキドキして、不安と期待がごちゃ混ぜになって、足がもつれそうで……でも、この時間が終わって欲しくない。
永遠に。
「君が……最後の恋人に、キスをしたことがないせいで振られたというのは……本当なのか?」
「へ?」
なんの前触れもなく唐突に聞かれて、乃亜は変な声を出してしまった。
ダグラスはお喋りではないけれど、かといって会話が苦手なタイプというわけではないらしく、時々こうして少し流暢になる。
「……はい、まあ……大筋は」
「他にも、君のあの大演説にはいくつか驚かされたことがある。君は本当に二十四歳なのか? せいぜい二十歳だと思っていたよ」
「再来月には二十五歳になりますよ。もし疑っているならパスポートだって見せてあげます。それに、もし二十歳なら処女でもそれほど笑うことじゃないですか。キスはともかく」
ああ……夢と現実の落差よ。
少なくともウィリアムと春子はこんな会話はしなかっただろう。時代とは。世代とは。
「別に笑ったわけじゃない」
「は、は、は。そうですか」
「嘲笑したわけじゃないという意味だよ」
「それは……どうも……ありがとうございます?」
しばらくの沈黙。
「馬にはいくつか種類がある」
ダグラスは言った。