二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
The Way We Choose ※ダグラス視点
ダグラスは牧場の従業員を部下だと思ったことはあまりなく、常に共に働く友人だと考えてきた。
しかしその晩、マクブライト邸のダイニングテーブルに集まったスプリング・ヘイブン牧場の四人の従業員、そして彼らに囲まれた乃亜を眺めながら、ダグラスは思った。
──神よ、なぜ俺の友人たちは今夜、死にたがっているのだろう?
「じゃあ、ノアが乗馬をしたのは本当に昨日がはじめてだったんだ? どうだった、最高の気分だろう?」
その乃亜が作った料理を皿いっぱい食い終えたネイトが、三十三歳の男ができるうちで最も締まりのない、だらしない笑みを浮かべながら言った。
乃亜はといえば頬を赤らめながら、ネイトの話を真面目に聞いてうなずいている。
彼女を喜ばせたくて家にあった中で一番いいメルローのワインを開けてしまったことを、ダグラスはすでに深く後悔していた。
深く。
「はい! 最初は怖かったですけど、一度走りはじめると最高でした。チャンピオンは素晴らしい馬だわ」
「チャンピオン? はじめての乗馬でチャンピオンに乗ったのかい? あれは結構気性が荒いのに」
「え、ええ……ミスター・マクブライトと一緒でしたけど。とてもお利口でしたよ」
「お利口だったのはチャンピオンかい? それともダグラス?」
そう言ってネイト・モンゴメリーは乃亜とダグラスに向かってウインクして見せる。
乃亜はダグラスの隣に座っていた。
そしてネイトはダグラスの正面に座っている。
他にホセ、そしてふたりの従業員が同席していたが、年齢的にひとりは若すぎるのと、もうひとりは年を取りすぎているせいで、差し迫った脅威には思えなかったが……物欲しそうに乃亜を見つめる目はどれも同じだった。
それが、乃亜の作った風味豊かな絶品料理のせいだけではないことを、ダグラスは理解している。自分の手が勝手に連中の顔を殴ってしまわないように、己を厳しく律する必要があった。
多分……あと五秒くらいはなんとか耐えられるだろう。
それ以降は神のみぞ知る、だ。
特にネイトに関して、ダグラスの忍耐はすでに限界に達しはじめていた。