二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「そんなに気に入ったなら、明日から俺の乗馬レッスンにくるかい? 午前と午後に一回ずつやっているんだ。もし昼間に時間があるなら、プライベートでも教えてあげられる」
「本当ですか?」
乃亜は目を輝かせた。
──畜生めが。
なぜか乃亜とネイトは気が合うようだった。
基本的にネイトはどんな女性とも『気が合った』が、本気になることは少ない。こうしてネイトが乗馬レッスンを餌に女を誘うのははじめてではなく、おそらく最後でもなく、ダグラスはネイトがきちんと仕事をこなす限りにおいて、口出ししたことはなかった。
どうでもよかったからだ──これまでは。
「駄目だ」
ダグラスの口は勝手にそう告げていた。
「どうして」
ネイトが抗議する。
「言ったはずだ。ノアは俺の責任で面倒を見ている客人だ。危ないことはさせられない」
「その大事な客人をあのチャンピオンに乗せたのはお前だろう。俺はもっと大人しい雌しか使わないよ。それに俺はプロだ」
くたばれ、と言いたくなるのを耐え、ダグラスは首を横に振った。
「駄目だ」
再びそう断言すると、ネイトは肩をすくめてそれ以上繰り返さなかった。
乃亜は一瞬だけなにか言いたげに口を開いたが、結局そのまま唇を引き結んでテーブルの上に視線を落としてシュンとしょげ返った。