二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスはただ小さく一度だけうなずいて、乃亜が彼の名前を呼んだことに満足したみたいに薄い笑みを浮かべた。
「……?」
「いい子だ。ネイトにそうしていたんだから、俺にもできるだろう」
「ネイトさんは自分からそう呼んでくれって仰ったんですよ」
「あいつは誰にでもそうだ。もしなにかを期待しているなら、奴はひとりに真剣になれるタイプじゃないのを知っておいた方がいい」
期待?
乃亜が、ネイトに?
確かにネイトは美形だし、おそらく大多数の日本人女性はダグラスのダークな雰囲気より、ネイトの明るい金髪碧眼の方に惹かれるだろう。乃亜だって、ダグラスに先に出会っていなかったら、それなりに魅力を感じたかもしれない。
でも……。
乃亜は声を上げて笑った。
ダグラスはため息をひとつ吐いてから静かにそれを見つめている。一緒に笑ってくれる感じではなかったが、それでもダグラスはどこか……満足げなままだった。
「肝に銘じておきます。失恋したばかりなのに、またコロラドまで来て同じことを繰り返さないように」
「そのシェフは阿呆だよ。別れてよかったんだ」
「そうでしょうか……。彼は半年待ってくれましたよ。わたしもできたら……受け入れたかったんです。でもどうしても決心できなくて」