二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスはうなずいて、神妙な顔つきになると胸の前で両腕を組んだ。それでなくても長身でたくましい彼がこれをすると、さらにひと回り大きくなったように感じる。
「……それはなにか、宗教的な? カトリックなのか?」
「いえ。うちは確か真言宗です」
ダグラスの片眉が上がる。
「仏教の一派のことです……。でも、お葬式以外でお世話になったことはないし、宗教的ではないですよ。まったくの無神論者でもないですけど。別に結婚まで待ちたいとかではなくて……ただ、心からこのひとだと確信したかったんです」
そのときだった。
夏の夜の風が吹いて、乃亜の髪を揺らすと同時に、キャビンのある方角から例の悲鳴が聞こえてきた。
『キェェェェェ! キャアアアアア!』
ふたりは顔を見合わせると、一緒になって笑った。
その笑い声に対抗するように、見えないフクロウも熱のこもった求愛の叫びを上げる。数十メートル先には小さな林があって、フクロウはおそらくそこから鳴いていた。
「このままじゃキャビンでは眠れないな」
ダグラスが指摘した。
「ホセは大丈夫なんですか?」
「あれは馴れているし、そもそも耳も遠くなってきているから、あまり気にならないんだろう」
「昨夜はしばらくしたら止みましたから……少し我慢して、それから寝ます」
ダグラスはまだ腕を組んだままで、なにか考えるように林でもキャビンでもない牧草地の先を見つめていた。