二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「いいえ。多分、道は合っていると思います。でも車が壊れてしまって、立ち往生しているところなんです」
「車が?」男は疑わしげに言った。「どんな理由で?」
そんなことわたしが知りたい!
乃亜は思ったが、周囲には時々放し飼いの牛が草を食んでいる以外に生命の兆しのないこの半荒野で、せっかく会った人間の機嫌を損ねたくなかった。
乃亜は持てる英語力をすべて集結して、しおらしく、冷静に説明を試みることにした。
「ごめんなさい、わかりません……。しばらく前からエンジンのあたりで変な音がしていたんです。それが急にひどくなってきたと思ったら、最後に大きな音をあげて湯気みたいなのを立てて……動かなくなりました」
男は大きなため息をついた。
むむ。
「これは君の車か?」
「いいえ、レンタカーです。空港の近くで借りました」
「引き渡しのとき、車の点検は?」
車内のシステムの説明こそ受けたが、特に点検と呼べるようなことはした覚えがないので、乃亜は首を左右に振った。
男はさっきよりもさらに深いため息をついた。
むむ、むむむ。