二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
男は無言で、特に乃亜に断りを入れるでもなく、レンタカーのボンネット先まで歩いてきた。背が高いだけでなく脚が長いので、すべてが素早い。止める隙さえなかった。
乃亜の横まできてボンネットの上部に手を当てると、男はその高温に顔をしかめた。
……と思う。
サングラスの下の表情はよく読み取れなかった。
「中は確認したのか?」
「いいえ、まだ開け方がわからなくて……」
すると再び、ため息。
(た……確かに迷惑かけているのはわたしだけど! ちょっと傷つく……!)
男性は背を曲げてレンタカーの底辺部を覗いてから、顔を上げた。
「運転席を開けさせてもらっても?」
「え? あ、もちろん、どうぞ……」
乃亜は一歩下がって、男がレンタカーの運転手席の扉に向かうのを許した。運転手席の扉を開けた彼は、造作のない仕草でハンドルの下あたりのレバーを引いた。
途端に、パコっとボンネットが開く。
「え? え? すごっ!」
驚きに、乃亜は思わず日本語で声を弾ませた。
サングラスの彼は乃亜の横に戻ってくる。脚だけでなく腕も長いその男は、慣れた感じでボンネットのフードを上げてストッパーの棒で固定すると、中身を確認しはじめた。