二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 ああ……どうしよう。
 故障の原因らしきものはわかったものの、それだけではなにも解決しない。

 知識のあるひとが通りかかってくれたのは不幸中の幸いだったが、残念ながらそのひとはあまり友好的ではなく、気軽に助けを求められる雰囲気ではなかった。

「そうでしたか……すみません。教えてくれてありがとうございます」
 他に言いようがなくて、乃亜はささやいた。

 それでも頼めばなんらかの手を貸してくれるかもしれない……と、ほのかな期待を抱いたものの、結局、男はなにも言わずにスタスタとピックアップトラックに戻ってしまった。

(ああ……行っちゃうんだ……?)
 ポンコツレンタカーと観光客っぽい日本人を置いて。コロラドの奥地の一本道に、何頭かの牛と一緒に。

 牛……もしかしてコヨーテとかも出るのだろうか?
 狼とか? ワニとか……く、熊?

 どんどん想像が悪い方に向いていくのはいい兆候ではない。少なくともスマホの電波はわずかにあるようだし、原因はわかったのだからレンタカー会社に連絡して……。
 乃亜は持ち前のポジティブさでなんとか乗り切ろうと決心した。
 心細かったけれど。
< 21 / 287 >

この作品をシェア

pagetop